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水墨画用の紙について(1)

30年も水墨画の紙を使ってきましたので、今日はその話をさせていただきます。

水墨画をならってまだ初期段階にある方は、紙はかなり使うはずです。以前、自分がいろいろ試しに買って来て良さそうな紙で値段も安く、学生にすすめましたが、正直これは水墨画教室に通っている方ならではのメリットでしょう。何も知らないで買うよりこの節約ができたことも気がつかないでしょう。

水墨画の紙は、発色・ニジミ・質感など、ものによってさまざまです。描く内容によって紙は使い分けしなければなりません。ですので、ある程度紙に慣れたら、性質(ニジミ、発色、質感など)の異なった用紙を数種類を用意すべきです。

水墨画が上達したいと思うなら紙を惜しまないというのが本音ですが、やはり初期段階ですと、水墨画の練習用としてなるだけ安くてお手頃なものを探すのが多くの初心者の考えです。

新奇を探したり新しい発見を求める自分の性格(?)でもありますが、いままで書道用品店では売っていなかった紙を初めて発見しました。呉竹から出されたもので、水墨画練習用の半紙で、試しに「2号」「52号」それぞれ買いました。あいだに800円前後の紙もありますが(何号なのか忘れました)、100枚入りで2号なら400~500円で(460円かな、忘れました)、52号は確か1400円あたりです。平均1枚2号は4円、52号は14円になります。



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袋を開けてみると、最初はただの安っぽい書道用の半紙という印象で、こんなペラペラの半紙で絵なんて描けるのか、半信半疑でした。使ってみると名前通り「練習」なら悪くはありませんが、作品にするのは、2号も52号も無理があると思います。そもそも平均1枚4~14円の紙を作品に使うのもあり得ないでしょう。

2号と52号の差は、いったいどこになるのか、私にはあまり分かりませんでした。同じ筆・墨などを使いまして、見比べても疲れます。おそらく紙の原材料が違うでしょうか。ニジミを求めるなら日本制が高く効果も中国製宣紙に及ばないので、100枚の半切を買ってきたほうがもっと経済的でしょう。自分で切るのが面倒かもしれません。それが嫌なら半紙サイズであれば、100枚で1,000円前後のものが適切な相場で、紙もペラペラしているものです(厚みを求めるなら中国製で二重構造・三重構造の二层夹、三层夹あります)。

水墨画は基本的にニジミを利用して描く場合が多く筆に含ませる墨量・水量によってもニジミ具合が大きく変わってきますので、水墨画教室に通っているなら先生が紹介してくれますから、それ以外ですと、あまり人がこれがいいとか信じない方がいいでしょう。書道専門店に足を運び、店員さんにいろいろ相談された人もいるかと思いますが、実際店員はそれほど詳しいと限りません。いろんなものを売っている店ですから、店員が全部使っているはずがありません。必ず自分で確かめます。

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紙の性格は、よくセールで「発色がキレイ」とか、「ニジミ少し」、「滲みは極めて少ない」、「墨ノリが素晴らしい」とか謳えていますが、それは使い方によって得られないこともあります。あくまでも一般的な見方で、初心者・入門の方は「ニジミ少し」を使ってもにじみが酷過ぎたり、細かく描き込んだ絵もにじんで駄目になったりして、濃く塗ってもにじんで薄く広がってしまう可能性があるでしょう。たっぷり水を含んだ筆の使い方ならうまく行くわけがありません。

また、悪い墨を使うと、とうぜん「きれいな発色」が得られないです。まったくにじみを必要としないのであれば、書道の仮名用の用紙を使ってみるとよいかもしれません。ちなみに書道や水墨画の場合、書いたあとに裏打ちという処理をしてしわをのばししっかりとした状態に仕立てていきます。あまり安っぽい紙を使うとしわが酷く生じ、表装や裏打ちの時も大変になるようです。




放送大学・陸墨会(公認)について


 現在、当教室は主に公認団体・陸墨会の会員を中心に(放送大学学生)活動を行っており、今年は5年目になります。現在、月2回(木曜日)の練習会を放送大学(東京都内)で行われております。教室生は放送大学の学生(修了生含む)に限りますので、ご了承ください。

放送大学ホームページ(案内)https://www.ouj.ac.jp/




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